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キタシロサイの「卵子のもと」阪大が作製 iPS細胞使い世界初、絶滅回避へ一歩 

The last two northern white rhinoceroses in Kenya (Photo courtesy of Ol Pejeta Conservancy).

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世界で2頭しか生き残っていない絶滅危惧種のキタシロサイの人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使い、卵子や精子のもとになる細胞を世界で初めて作製したと、大阪大などの国際チームが12月10日、米専門誌で発表した。卵子を4~5年後に作り、人工授精によって絶滅の回避を目指す。

アフリカ原産のキタシロサイは、角が高値で売買されるため密猟が横行し野生の個体は2008年に絶滅。保護された個体も18年に最後の雄が死亡し、生存しているのはケニアの保護施設にいる母子の雌2頭だけで、絶滅は時間の問題だ。

人のiPS細胞を作る方法は確立しているが、野生動物の場合は作製条件などが異なる。このためチームは個体数が比較的多い近縁種のミナミシロサイを使って条件を解明。これを応用してキタシロサイのiPS細胞を作り、卵子などの生殖細胞のもとになる細胞を作ることに成功した。

ミナミシロサイ

今後は生殖細胞の形成を補助する他の細胞も作って卵子を作製し、凍結保存されている精子と人工授精させる。現存する雌は高齢で、人でいうと60歳と40歳に当たるため、受精卵はミナミシロサイの子宮に移植し次世代誕生を目指す。将来は精子もiPS細胞から作製する計画という。

大阪大の林克彦教授(生殖遺伝学)は「多様な哺乳類に応用できるとみられ、絶滅危惧種の保全や繁殖に役立てたい」としている。

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