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陸のごみを拾って、海洋プラ対策 厳格な国際ルールで生活一変も

A team from Spain separating the collected trash in the SPOGOMI World Cup. (©Sankei by Kazuya Kamogawa)

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陸のごみを拾って、海を守る-。路上のごみ拾いにスポーツの要素を加え、東京都内で22日に開催された「スポGOMIワールドカップ」は海洋プラスチック対策が狙いの一つだ。投棄などで発生する海洋プラスチックごみは、海の生き物の暮らしを阻害する恐れがあるとして、世界的に対策の動きが強まっている。日本ではレジ袋が有料化されたが、さらに厳しい国際的ルールが定められれば、生活が一変する可能性もある。

世界経済フォーラムなどが取りまとめた「ザ・ニュー・プラスチックエコノミー」(2017年)は世界で毎年800万トンものプラスチックごみが海洋に流出していると試算。うち、日本から出たものは2万~6万トンと考えられるという。

ごみ拾いを競技化した「スポGOMI」のW杯で、拾ってきたごみを分別する選手=22日、東京都渋谷区(鴨川一也撮影)

海洋プラスチックの悪影響として指摘されているのが、漁業や観光業など海にかかわる産業への打撃。また、自然界に数百年以上ともされるほど長期間残るプラスチックが生態系を脅かすリスクもある。

その一例が、日光や波によって劣化し、5ミリ以下の細かい破片になった「マイクロプラスチック」だ。サンゴなどに取り込まれたものが他の生物に影響を与え、生態系全体へ波及する可能性も指摘されている。科学的に明確な結論は出ていないが、不測の事態を防ぐために早期の対策を求める声は強い。

日本では令和2年7月にレジ袋の有料化がスタート。国際的には強力な対策に向けた枠組みづくりも進む。昨年の国連環境総会(UNEA)では海洋プラ対策の国際条約を新設するため、2024年末までを目標に作業を完了することが決議された。

ごみ拾いを競技化した「スポGOMI」のW杯で、優勝し喜ぶ英国チーム(中央)=11月22日、東京都渋谷区(鴨川一也撮影)

同志社大の原田禎夫准教授(公共経済学)はEUが皿やストローなど特定の使い捨てプラスチック製品の市場流通を禁止するなど、世界的に規制が強化されている一方で、「日本のプラ対策は使ったもののリサイクルなど再利用の話が中心で、排出抑制の考え方が薄かった」と指摘。「法的拘束力がある条約によって成果が求められ、既存の制度も変化が迫られる」とする。

一方で新たな産業、技術などを創出するチャンスにもつながるとし、「世界的に日本の技術への信頼性は高い。日本が主導して国際的に新しいルールや技術をつくっていくというくらいの強い意欲を持つことが重要だ」と強調した。

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