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【佐渡生き物語】カラフルなトキ、期間限定で登場!

A crested ibis with wings painted red and blue to allow for observation after release into the wild. (© Fumie Oyama)

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美しいオレンジ色の羽に赤や青のペイント…。国の特別天然記念物であるトキのこんな姿を今の佐渡島では、観察することができる。予備知識がない観光客がこんな色のトキを見つけ、トキがこんなカラフルな色だと誤解することもしばしば起きる。

ビビッドな色にびっくり

赤や青はトキの自然な色ではない。一度は日本国内で絶滅、野生復帰が行われている佐渡で9月29日、29回目となる放鳥が行われたが、その放鳥されたトキは写真のようにアニマルマーカーで外側と内側に2か所ずつ色が付けられている。足環もあるが、色は飛翔時に個体識別するためだ。

放鳥前のトキに色をつける環境省の職員(環境省提供)

期間限定のカラー

使用される色は赤、青、黄、緑、オレンジの5色。色の組み合わせには特に決まりはなく、春と秋の年2回の放鳥で被らないように、2色を組み合わせて色分けしている。識別のためだが、トキは毎年夏から秋にかけて羽が抜け替わるため、一定の期間しかこの色は見られない。環境省の佐渡自然保護官事務所によると、5色のうち黄やオレンジは目立ちにくいためにあまり使わないという。

9月に放鳥されたトキ2羽が仲良く飛翔していた(大山文兄撮影)

3人がチーム

色を付けるのは、放鳥に備え、エサをとるなど自然界での生活に馴れるための「順化ケージ」に放つ前に、目隠しをして大人しくなったトキの身体を抑え、獣医らが色を塗っていく。1人が1色を担当。2色のため、抑え役と3人がチームで1羽約10分で、色を塗り足環を装着する。

アニマルマーカーの色付けで、職員の軍手も色で染まっている(環境省提供)

安全性に配慮

トキへの健康の影響を心配する人もいるかもしれないが、アニマルマーカーは、雨でも色が落ちないように油性で、安全性が評価された法定色素を使用している。実験動物に使用されることはよくあるが、マーカーを塗られて自然界に放たれている動物はトキ以外にいないのではないかという。

羽が抜け替わった後の識別は、足環に頼るしかない。双眼鏡で目を凝らしても、数字記号の識別は至難の業だ。

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大山文兄(おおやま・ふみえ)産経新聞社写真報道局で新聞協会賞を2回受賞。新聞社時代に11年間にわたり、トキの野生復帰を取材。2020年に退社して佐渡島に移住、農業に従事しながら、トキをはじめとする動物の写真を撮り続けている。映像記者として佐渡の魅力を発信中。インスタグラムでフォローしてください

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