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「汚れた記録、棄てないで」被災地の歴史資料保全を呼びかけ

An office damaged by the tsunami in Ukai Fishing Port, Suzu City, Ishikawa Prefecture. (©Sankei by Shigeru Amari)

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最大震度7を観測した能登半島地震の被災地で、水や泥で汚れた歴史関連の資料の保存を、支援団体が呼び掛けている。被災した建物から古文書などが出ても、片付けの際に捨てられるケースが少なくないため、支援団体では「一見、ゴミのように見える場合があるが、地域の歴史を記録したかけがえのない財産。安易に処分しないで」と強調する。

平成7年の阪神大震災をきっかけに歴史資料の保全活動を始めた民間団体「歴史資料ネットワーク」(神戸市)は8日、緊急事務局体制に移行。ホームページで、「被害が比較的軽微だった地域では復旧や復興に向けた動きが始まり、その際には地域の歩みを刻んだ歴史遺産が廃棄される恐れがあると考えました」として、歴史資料保全に関する相談窓口を開設した。

地震直後の火災で焼け落ちた永井豪記念館=1月3日午前、石川県輪島市(恵守乾撮影)

水害や泥で汚れた紙資料でも「カビが生えるなど劣化していることがありますが、適切な処置を行うことで、修復することが可能な場合があります」と、安易に廃棄しないよう、呼びかけている。

歴史資料の定義として、くずし文字で書かれた古文書▽和とじの本▽明治以降の古本やノート、新聞▽写真やフィルム、ビデオテープ▽自治会などの団体の記録や資料▽古い襖やびょうぶ▽農具や機織り機、古い着物-などを列挙している。

また平成16年の新潟中越地震を機に、結成された民間団体「新潟歴史資料救済ネットワーク」(新潟市)も5日、「歴史資料を処分しないでください」と題したアピールを発表。資料を見つけたら、最寄りの市町村の文化財担当や博物館に相談するよう呼び掛けている。新潟県立歴史博物館(新潟市)も、資料保管のための資材提供や、保管場所の提供を行っている。

歴史資料ネットワーク(電話078・803・5565、平日のみ、午後1時~5時)。新潟歴史資料救済ネットワーク、新潟県立歴史博物館学芸課(電話0258・47・6130)

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