J2Eは8日、熊本県山都町の「しもだ茶園」の下田美鈴さんとウエブ懇談を行いました。
同園は有機農業に取り組み、棚田で無農薬のお茶を栽培しています。
下田さんはまず、2023年9月に国宝に指定された、近世最大級の水を通すアーチ石造橋「通潤橋」の水の恩恵を受け、棚田で約40年間にわたり、無農薬、無化学肥料にこだわりお茶栽培をしてきたことを説明しました。
活動の発端は大学卒業後、地元に戻ってきたところ、当時の町に図書館がなかったことから、図書館づくりを友人と開始。子どもにとって人間にとって大事なのは食べ物だということに気付いたそうです。「橋のない川」の著作で有名な住井すゑさんの「いのちは育つ」(人文書院)の中に書かれている「文化を守ることは生命を大切にすること」という文章、思想に出会い、無農薬農業に向かったそうです。
また、下田さんは、同町が中山間地域で耕作放棄地がどんどん増えていることや高齢化が進んでいることを指摘。「農業問題は食料問題であることを特に、東京のような大都会の人たちにもってほしい」と問題提起されました。
下田さんの活動は多岐にわたり、地元にもともとあった樹の植林活動を実施。5年間で2万本を植林したそうです。
「ご飯粒お茶碗一杯で平均2000粒入っています。そうすると、パンが1個160円の時代で、ご飯はお茶碗一杯30円にもなっていない。日本の農業の根幹である米の良さを見直すべきだ」と提言しました。
また、J2Eには、日本の文化発祥といえる稲作文化についてもっと発信してほしいと要請されました。
J2Eも自然環境保全、日本の文化としての稲作、農業についての発信で貢献していきたいと思います。