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飲料容器などとして身近なガラスびん。人工知能(AI)を使って、自動で分別を行い、資源リサイクルを進める動きがある。これまで人の手を使って分別してきた作業が大幅に緩和されると期待される。
リコーグループのスキャナー大手「PFU」が開発した最新AIは、画像認識で培った技術を応用し、コンベヤーを流れるびんの色や材質を99・8%の精度で把握。分別用のロボットアームに指示を出し、1分間に最大約70本、茶色や透明などの色別に分けることができる。中身が残ったびんやペットボトルなどは認識して除外。再学習機能もあり、経験を積めば難しい判別も可能になるという。
「ガラスびん3R促進協議会」によると、ガラスびんは異なる色や耐熱ガラス、クリスタルガラスなど異なる成分が混ざると、びんへのリサイクルに使えなくなる。分別の人手不足などもあり、再生できずに廃棄されるガラスびんは推計で年約30万トンに及ぶ。
青森市の委託で資源ごみ処理を行う「青南商事」(青森県弘前市)は4月中旬、このシステムを試験導入し、ガラスびん選別作業を一部自動化した。「瞬時に選別する作業には経験が必要で、高齢化もあり、慢性的な人手不足だった。工場の効率化を図りたい」と同社。スタッフ2人分の働きを期待している。
再生ガラスを90%以上使ったエコロジーボトルの出荷量は年々増え、需要は高まっている。AIがリサイクルガラスの新たな市場を開くカギとなりそうだ。
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