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炎天下に勝手に「冷える車体」 日産が新塗料開発 商用車向けに省エネ・涼しさ提案へ

Comparison of the body temperatures of a vehicle painted with the new self-cooling paint (left) and conventional paint (right) using thermography. (Image courtesy of Nissan)

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日産自動車は6日、直射日光による車体の過度の温度上昇を防げる特殊な新塗料を開発したと発表した。新塗料は熱エネルギーを外に出す自己放射冷却の特性があり、これで塗装すると夏場の温度上昇時に勝手に「冷える車体」が実現する。炎天下での業務走行が多い商用車向けに実用化する計画だ。

自己放射冷却する新塗料で塗装した車両(左)と通常塗装の車両の車体温度を比較したサーモグラフィーの画像(日産自動車提供)

新塗料は自然には存在しない特性を持つ「メタマテリアル」と呼ばれる材料技術による放射冷却製品を手掛ける中国企業のラディクールと共同開発した。自己放射冷却する自動車塗装技術は業界初とみられる。

自己放射冷却する新塗料を採用した日産自動車の車両。停車中の表面温度を計ると46・3度で、隣の通常塗装の車両の58・1度より低かった=6日午前、東京都大田区の羽田空港

日産によると、通常の塗装に対して新塗料を使った塗装の車両では車体表面で最大12度、運転席頭部の空間で最大5度の温度低下効果を確認。また、電気自動車(EV)「リーフ」を使い外気温35度の環境で実施したカーエアコンの実験では、設定温度の25度に冷えるまでの時間を、新塗料車両は通常車両に比べて約4割短縮できたという。実用化すれば燃費やEVの「電費」の向上に役立つ。

現在は日本空港ビルデングと協力し、新塗料で塗装した商用バンをANAエアポートサービスが羽田空港の業務に使用する実証実験を行っており、塗装の耐久性などを検証したうえで実用化する。商品化の時期は未定。今後、さらに材料技術を工夫し、乗用車向けの実用化も目指す。

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