【佐渡生き物語】珍しい渡り鳥の訪問
新潟県佐渡島の生物を紹介する映像記者、大山文兄のフォトエッセイの第33回目は、希少な渡り鳥の姿を紹介します。

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毎朝夕のトキの撮影をしていると、思いもかけない鳥と出会うことがある。今回は、佐渡に移住して4年になるが初めて撮影することができた希少な渡り鳥をとりあげたい。
いつものように、トキの撮影のためにカメラを構えていると、水田の水面に長いクチバシのシルエットをとらえた。一瞬、トキかと思ったが明らかに違う。クチバシの長さはトキと同じぐらいだが、顔のサイズが二回りほど小さいのだ。
見慣れない鳥の姿に夢中になってシャッターを切った。何の鳥かわからないため、自宅に戻って特徴を検索すると、ホウロクシギであることがわかった。小顔のため、クチバシが際立って見える。

クチバシが顔の3倍
ホウロクシギは全長約60cm。シギの中では、最大級。クチバシが長く、頭の3倍ほどあり、脚は長い。シベリア東部などで繁殖し、オーストラリアやフィリピンなどの東南アジアで越冬する渡り鳥だ。世界中で約1万~2万羽しかおらず、絶滅危惧種に指定されている。主な生息場所である干潟が埋め立てされてきていることなどが減少の理由という。
今回、佐渡で撮影したホウロクシギは田んぼの畦だった。日本野鳥の会佐渡支部の土屋正起支部長によると、佐渡には大きな干潟はないが毎年、水の張られた田んぼで観察されているという。水田が干潟の代わりをしているわけだ。ホウロクシギの日本の主な渡りのルートは、太平洋側の干潟のため、日本海の佐渡にくるホウロクシギはコースをはずれていることになる。このためか、これまで1羽でいるところしか観察されていないという。群れより孤独を好むはずれ者なのか、独立独歩なのか。同じ1羽が観察され続けているのか。トキのように足環で追跡できるわけではないので、わからない。

愛らしいエサとり
畦で見つけたホウロクシギは、首を曲げて長いクチバシ土に深く差し込んでエサを探していた。なかなか愛らしいのだが、トキと比べて効率よくエサをとっているようには見えなかった。
トキのクチバシは先端まで神経が集中しており、泥の中で見えない小動物のかすかな動きをセンサーのように把握して、上手にとらえる。ホウロクシギのクチバシはセンサーになっていないため、泥の中に何度もクチバシを突っ込んで時間をかけてエサを探していた。

今回、初の試みとして、高速連写(1秒間に30枚)した画像43枚を「パラパラ漫画」のようにつなげてみた。小学生のとき、先生の目を盗んで教科書のページの端に少しずつ動きが違う絵を描き、端から素早くめくって絵が動いているように見えるのを楽しんでいた。写真で試してみると、動画とはまた違った動きになり面白い。
ホウロクシギの撮影には3日間、費やした。その姿は1週間、確認できたがその後、見えなくなった。佐渡で羽を休め、たった1羽で、北に向かったのだろう。来シーズンも元気に戻ってほしいと願うばかりだ。
筆者:大山文兄(フォトジャーナリスト)
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