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牛のげっぷから排出される温室効果ガスのメタンを減らそうと、北海道大大学院の小林泰男特任教授らの研究グループが取り組んでいる。胃の中の微生物が餌の牧草などを分解する過程で出るもので、地球温暖化の一因とされる。メタン発生を抑える餌を見つけ、胃内のセンサーと人工知能(AI)によって効果的に投与。2050年までに排出量を8割減らすのが目標だ。
牛には四つの胃があり、約7000種類の微生物の力を借りて食物繊維を含む牧草を消化し、栄養源としている。メタンは最も大きな第1の胃でつくられている。微生物による分解・発酵によって水素が発生し、さらに別の微生物が水素をメタンに変えている。
これまでの研究でカシューナッツの殻から抽出した油を飼料に混ぜると、水素がメタンではなく牛の栄養源となる「プロピオン酸」に変わるようになり、結果としてメタンの排出量が約2割減ることが分かった。
研究グループはさらに削減効果の高い餌を見つけるため、海藻や植物油などの餌を試験している。
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