パシフィックフィルハーモニア東京とWeb懇談会

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J2Eは、パシフィッフィルハーモニア東京の代表理事、日野洋一さんと事務局長、菅沼暢夫さんと懇談しました。

同オーケストラは1990年創立。2022年4月に、「東京ニューシティ管弦楽団」から現在の 名前に改称、飯森範親氏が音楽監督を務めています。

日野さんはまず、「名称のパシフィックは、大航海時代の探検家、マゼランが太平洋を穏やかと表現したように調和と愛、平和の意味を込めています」と名前の由来を説明。「伝統と革新」を理念に、保守的な日本のオーケストラ業界で初めて、今年5月にはアイドルグループ「ビヨーンズ」とコラボして東京芸術劇場で公演、2022年には電子的な映像や視覚的要素を盛り込んだ公演や2021年にはアニメ「ソードアート・オンライン」の世界観を表現したコンサートを実施したことを紹介しました。「オーケストラを支えるパトロンは教会、ブルジョアと変遷してきましたが、現代においては多種多様な価値観を持つ市民がパトロンになります。『革新』の定義はいろいろありますが、その本質は『多様性』にあると考えています」と語りました。

また、0歳から6歳までの子どもたちを対象にしたコンサートを実施。「コンサートホールで騒いではいけないと入場できなかった年齢の子どもたちにホールを開放して盛り上がりました」としたうえで、「従来のクラシックだけではなく、時代に合わせ、お客様である市民に喜んでもらうため、コスプレはじめ何でもやります」と多彩な音楽活動への意欲を語りました。

「西洋の音楽をなぜ、日本人が行うのか」といった本質的な命題について、「日本人が演奏することに意味があるのは、技術というより日本の精神的な日常の所作、価値観にある」という考えから、日本文化の集大成である茶道について楽団員に学んでもらっているといいます。

さらに、「コミュニティ・コミッティ(地域拠点)」づくりに取り組んでおり、今後5年間で全国100市町村のコンサートホールとフランチャイズ契約を結び、子どもたちに直接、質の高いオーケストラの演奏を聞いてもらう機会を作り、子どもたちに豊かな人生を送ってもらうことを目指しているそうです。

「国が予算を出すフランスなどと違って、日本では、オーケストラの支援のメインは企業になっている。国からの支援は少なく、このままではクラッシックが廃れてしまう」という日本の構造的な問題について言及。 地域に音楽を届けるためのコミュニティづくりにJ2Eの協力を要請されました。

J2Eも、「素晴らしいオーケストラの音楽を子どもたちに届ける」目的のために、全国100市町村の「コミュニティ・コミッティ」づくりに向け、情報発信などで貢献していきます。