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フードロス削減に「大阪モデル」 大商など、回収から販売まで代行

Samples of the food that Loss Zero delivers to its members through the food loss reduction initiative. (Photo courtesy of Loss Zero)

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まだ食べられるにもかかわらず賞味期限間近や規格外のため食品が廃棄される「フードロス」を削減しようと、大阪商工会議所と大阪府、民間企業グループが連携し、廃棄食品を回収して安価で売り出す仕組みづくりに取り組んでいる。回収から販売までの一連の流れを代行するため、食品メーカー側の負担が軽減されるメリットがある。将来的に「大阪モデル」として普及を図り、フードロス完全ゼロを目指す。

大商と府環境農林水産部は5月、東京海上日動火災保険と物流会社の間口グループ(大阪市)、余った食品を格安で販売する事業を展開する新興企業、ロスゼロ(同)と連携協定を締結。加工食品や菓子類を対象としたフードロス削減の枠組み「大阪モデル」の実証実験を10月末までの日程で実施している。

「大阪モデル」の流れは、廃棄することになる食品が出た場合、食品メーカーがコールセンターに連絡。農作物や生鮮、総菜などを除いた受け入れ可能な食品について、間口グループが回収と輸送を担い、ロスゼロが買い取って自社のインターネット会員に手ごろな価格で販売する。

東京海上日動は、回収や輸送にかかる費用を補償するほか、実験データを取得し、回収費用を補償する「食品ロス削減保険(仮称)」の開発を検討する。大商と府は利用企業を増やすための施策や情報発信、仕組みの円滑な運営のための助言を行う。

大商によると、取り組みに関心を持った食品メーカーから問い合わせがあるといい、今後、フードロスに関するセミナーを開くなどして参加企業を増やすという。

大阪モデルについて、大商の鳥井信吾会頭(サントリーホールディングス副会長)は「膨大な金額、量となっているフードロスを削減することは、SDGs(持続可能な開発目標)達成にもかなう重要な取り組みだ」と評価。「これまでは食品をいかにおいしく食べるか、という方向に目がいきがちだったが、テクノロジーも活用して方向性を変える必要がある」と話している。

筆者:井上浩平(産経新聞)

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