尾上(おがみ)建設とWeb懇談会

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J2Eは8日、石橋の保全に取り組む尾上建設(熊本県山都町)の取締役相談役、尾上一哉氏とウエブ懇談を行いました。

同社は、2023年9月に国宝に指定された近世最大級の石造アーチ橋である「通潤橋」の保守、メンテナンスに約40年にわたって携わってきました。同氏は、「日本の石橋を守る会」の理事技術部長も務めています。

通潤橋について、尾上氏は「橋の近くに自宅があり、幼さない頃から橋は遊び場でもあり、自然の一部でした」と語ります。その通潤橋のメンテ修理を受注することになったのは思いもかけないことだったといいます。

そこから、尾上氏は通潤橋の歴史や工法を調べ、この橋の構造の巧みさに気付いたそうです。すっかり石橋に魅せられた同氏は「日本の石橋を守る会」の技術部長として、全国から寄せられる石橋に関する調査依頼に駆けつけ、石橋の保護や蘇生を訴えてきました。石橋の修復築造の技術を後世に残すための技術者養成にも着手します。

「石橋は、究極のSDGsと言えます。鉄骨コンクリートを使った橋の寿命は100年を切りますが、石橋は半永久的であり、持続可能なインフラです。SDGsの17のゴール全てに該当します」と強調します。

しかし、全国に残る石橋は、自動車が通れるほどの幅がなく、流れてきた樹木が引っ掛かり洪水を引き起こすこともあることから、撤去の危機にさらされているといいます。

尾上さんは、「コンクリート鉄骨の橋と違って、石橋の安全基準がありません。石橋の安全基準を作り、国に自動車が通る石橋の道を作ってほしい」と訴えます。

同社は、過去の石橋の設計施工内容を記録した「よみがえる石橋」を共著出版し、全国の都道府県に無料で配布、通潤橋が造られるプロセスを紹介した絵本も出版しました。

J2Eも、究極のSDGsともいえる石橋を守る活動に貢献できるよう、情報発信していきたいと思います。