寒暖差が生むうまさ 山形「雪国レモン」今年も収穫

雪国の山形で温暖な地域で育つレモンをビニールハウスで育てている。

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ビニールハウスで育てた雪国レモンの収穫が、今年も始まった。多いもので70個以上つける木も出てきて、育てている石岡浩明さん(62)は「昨年よりかなり多い850個は収穫できそうです」とほほ笑む。

例年ならハウスの外は雪が1メートル近く積もる土地柄。今年も昨年12月に降った雪が所々に残り、外気温は氷点下前後ながらハウス内は12~13度と過ごしやすい。「10度以上の寒暖差が年間100日以上ある山形県だから、おいしい果物ができる」と石岡さん。

雪国の山形で寒さを逆手に取り、温暖な地域で育つレモンづくりを始めたのは8年前だ。「無農薬のレモンをつくってほしい」と、がんに苦しむ闘病者に切望されたからだった。

寒さに強い品種のマイヤーレモンを見つけ、外気の寒さから木々を守るため、2枚重ねたビニールを離して空気層をつくり、保温性の高い独自のハウスで育ててきた。

'snow country' lemons
二重にしたビニールハウスは外気より10度以上高く、順調に育った雪国レモン=1月14日、山形市(柏崎幸三撮影)

その甲斐があり、雪国の山形市でもレモンは育ち、郊外に移転したいま、鉢植えから発泡スチロールで囲った90センチ四方に地植えにすることで、寒さに強く、より太い木に育っている。「環境にも順応してきた。今年は、70個以上なる木も出てきた。このハウスだけで将来5000個以上収穫できる可能性も出てきた」と自信を見せる。

実際、雪国レモンは、すっぱいながらもまろやかな味が特徴で、皮まで食べられるほど苦みがないのも魅力で、「レモネードもいいし、はちみつレモンは最高においしい」と石岡さん。雪国レモンは市内の一部のスーパーのほかインターネットでも購入でき、すでにホテルや旅館、レストランからも引き合いが多数来ているという。

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