加速器技術でガンジス浄化 東北大、印と共同研究へ

急速な経済成長により汚染が進むインドの大河ガンジス川を日本の加速器の技術で浄化しようという共同研究が始まる。

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急速な経済成長により汚染が進むインドの大河ガンジス川を日本の加速器の技術で浄化しようと、東北大電子光理学研究センター(仙台市)などがインドとの共同研究を計画していることが28日分かった。川へ流れ込む汚れた排水に加速器から出る高エネルギーの電子線を照射して、細菌や有害物質を分解する試み。

計画を主導する同センターの濱広幸教授によると、この加速器技術を応用すれば、発がん性や免疫力低下など健康への影響が指摘され、国内外で規制対策が進む化学物質「有機フッ素化合物(PFAS)」を分解できる可能性もあるという。

Tohoku University research
ガンジス川で沐浴(もくよく)をする人たち=2018年、インド北部バラナシ(共同)

センターは来春までに、国際協力機構(JICA)や高エネルギー加速器研究機構などと研究を始める意向。実験で基礎データが集まった段階でインドとの共同研究に踏み切る。実用化できれば、世界各地で問題化する水不足やPFAS汚染の解決に道を開くことも期待される。

ガンジス川で沐浴(もくよく)をする人たち=2018年、インド北部バラナシ(共同)

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