ペットボトルの分解時間を9割削減でキリンが新技術 令和12年の実用化目指す
キリン中央研究所は15日、ペットボトルなどのリサイクルにかかる分解時間を約9割削減する新技術を開発したと発表した。
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キリンホールディングス(HD)傘下のキリン中央研究所は15日、ペットボトルなどのリサイクルにかかる分解時間を約9割削減する新技術を開発したと発表した。原料を分子レベルにまで分解してから化学原料を回収する「ケミカルリサイクル」技術によるもので、令和12(2030)年までの実用化を目指している。
低温度で短時間分解
従来、ペットボトルや合成繊維などの原料になるPET(ポリエチレンテレフタラート)を分解するには数百度という高い温度と高圧力が必要で、処理に数時間かかっていた。新しい技術ではPETとアルカリ成分、アルコールを一定割合で混ぜることにより35~55度の低温で、しかも15分程度の短時間で分解できる。
また、分解後の精製工程でも、これまで必要だった化学薬品を大幅に削減できる新技術を早稲田大との共同研究で開発したという。
PET樹脂5割削減へ
キリンは9年までに国内のPET樹脂使用量の50%をリサイクル樹脂にする目標を掲げる。今回の新技術では大規模化や連続運転などの課題解消と実用化に向け、新たなパートナーを探す方針。キリン中央研の担当者は「環境に配慮しながら資源が循環し続ける社会を目指す」と話している。
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