万博テーマウィーク 8つのテーマで社会課題解決
2025年の大阪・関西万博での、SDGsに沿った地球規模の問題を探る「テーマウィーク」の概要が発表。民間企業や政策当局の積極的な参加が求められる。
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令和7年の大阪・関西万博を運営する日本国際博覧会協会は6月2日、開催期間中に約1週間ごとに地球規模の社会課題の解決策を探るイベント「テーマウィーク」の概要を発表した。公式参加者や政府、自治体、出展企業などが万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」から派生した8テーマについて会場内外で議論。関連するプログラムの映像などは万博のレガシー(遺産)として残す。
テーマウィークは、世界の人々が一定期間、同じ場所に集まる万博の特性を生かした取り組み。昨年3月まで開かれたドバイ万博で本格的に採用された。
大阪・関西万博のテーマウィークでは、SDGs(持続可能な開発目標)達成を目指す万博のテーマ「いのち輝く未来社会」の実現に向けた8テーマを設定。各テーマは内容ごとに3分類し、①人と地球上の生命を脅かす課題の解決は「地球と未来と生物多様性ウィーク」、②誰もが幸福で豊かな生活を送るための課題の解決は「食と暮らしの未来ウィーク」、③社会を豊かにするための課題の解決は「未来への文化共創ウィーク」などを掲げる。
テーマの1つ「SDGs+Beyond いのち輝く未来社会ウィーク」で、各ウィークの内容を取りまとめる。関連するプログラムは会期前から始め、閉幕後も動画などを残す。
テーマウィークの実施時期はまだ決まっていないが、各テーマに関連する国際的イベントの時期を考慮して実施する。会場では各パビリオンやメッセが舞台となり、オンラインも組み合わせながら数十人~100人規模のディスカッションを行うほか、会場外の施設でもテーマに即した企業同士のビジネス交流などの機会をつくる。
日本総合研究所関西経済研究センターの藤山光雄副所長は「大きな理念を話し合い、共有するだけで終わるのでは十分な成果とはいえない。可能な限り、課題解決のための具体的な方策にまで議論が及ぶ仕掛けづくりが必要」と指摘。関連する技術を持つ民間企業や、政策を検討する当局の積極的な参加が求められるとした。
筆者:井上浩平(産経新聞)
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