ヤンバルクイナなど絶滅危惧種の細胞凍結 沖縄、北海道でも稼働

絶滅危惧種の細胞を凍結保存する取り組みが広がっている。

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絶滅危惧種の細胞を凍結保存して「タイムカプセル」のように未来に残す国立環境研究所(茨城県つくば市)の取り組みが広がっている。これまでつくば市にしかなかった保存設備が2023年6月、沖縄県本部町でも稼働を開始。国環研は、設備を北海道にも設置しようとクラウドファンディングで資金を募っている。

沖縄では既にヤンバルクイナの生殖細胞の保存を始めており、今後地元の研究機関などとも連携して、南西諸島に生息する絶滅危惧種の保全が進むと期待される。北海道ではオオワシなどの猛禽類を中心に細胞保存を目指す。

絶滅危惧種のオオワシ(国立環境研究所提供)

国環研によると、取り組みは平成14年、環境省のレッドリストに掲載されている野生動物の保全活動の一環として始まった。交通事故などが原因で死んだ野生動物の細胞を全国で採取し、つくば市の設備で培養して凍結保存してきた。

今年6月時点で保存されているのは、レッドリストに記載の絶滅危惧種を中心に127種。

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