「環境万博」と変容したCOP28 国際環境経済研究所理事・竹内純子

COP28の会場となったのは、2020年に万博が開催されたアラブ首長国連邦のドバイとあって、数多くのパビリオンや展示が立ち並ぶさまは、万博そのものであった。

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今年もCOP(気候変動枠組み条約締約国会議)が開催された。観測史上最も気温が高かった一年となることがほぼ確実とあって、この問題への関心は高まる一方だ。参加登録者数は7万人を超えたという。筆者がこの交渉プロセスに参加し始めたのは15年近く前になるが、当時は政府間交渉の場としての意味が大きく、これほど多様なステークホルダー(利害関係者)が参加するイベントになるとは想像しなかった。

COP28の会場となったのは、2020年に万博が開催されたアラブ首長国連邦のドバイとあって、数多くのパビリオンや展示が立ち並ぶさまは、万博そのものであった。地元小学生らが展示を見て回るさまはかわいらしいし、初めてスタートアップ(起業)の出展スペースが確保された意義は大きい。日本からも10社が参加し、高い関心を集めていた。しかし毎年この規模で開催すべきかは考える必要があろう。砂漠の都市に数万人が集い、エアコンの効いた会場で環境を語ることがシュールだと感じるのは筆者だけではあるまい。

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