能登半島地震のがれき処理で宮城県が〝奇跡〟の「東松島方式」で支援

能登半島地震で倒壊した建物のがれきなど県内の災害廃棄物の推計量が244万トンに上る。

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能登半島地震で倒壊した建物のがれきなど県内の災害廃棄物の推計量が244万トンに上る。東京ドーム2個分の規模になるが、東日本大震災を乗り切った宮城県が支援で目指すのが「東松島方式」。大津波で壊滅的な被害を受けた東松島市だが、奇跡的な処理法で早期の復興にこぎつけた。

「きれいにゴミ処理にこぎつけたばかりでなく、住民の雇用にもつなげた。今でいう『SDGs』にのっとって処分した。状況をみながら、東松島市のノウハウを提供していきたい」

宮城県の村井嘉浩知事は定例記者会見でこう述べ、7日午後には災害廃棄物処理に詳しい職員4人を現地に派遣した。

にわかにクローズアップされた「東松島方式」。太平洋沿岸部に位置する東松島市は1110人が犠牲になり、23人が行方不明に。家屋被害は1万1千棟を超え、浸水域は市街地の約65%に達した。

東松島市震災直後からごみの資源化を念頭に、品目に分別するなど徹底した分別リサイクルを実施し、仮置き場に持ち込む被災者に細かな分別を呼びかけた。津波で発生した混合ごみはがれきと土砂に分別し、手作業で19種類に分別した。資源として高い再利用率を達成し、処理費も抑制する一方、住民を分別の作業員として採用し、雇用の受け皿にもなった。

disaster waste

石川県珠洲市の仮置き場に運び込まれた災害ごみ=2月6日午前(共同)

能登半島地震では、石川県内の年間ごみ排出量の約7年分で、被害の大きかった半島北部・奥能登地域の2市2町が推計量の約6割(151・3万トン)を占めた。地域の年間排出量の59年分に当たる。県は海上輸送も活用し、県外を含めた広域処理を進める方針で、2025年度末の処理完了を目指すとしている。

過去の災害では、阪神大震災で約1500万トン、東日本大震災で約2千万トン(津波堆積物は含まず)、熊本地震で約311万トンの災害廃棄物が発生した。

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