大阪湾「海の森」保全、再生で連携 大阪・阪南市と関西エア

大阪湾の藻場の保全と再生を目指し、阪南市と関西エアポートが連携、カーボンニュートラルの実現を図る。

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大阪湾に残る「藻場(もば)」の保全と再生を目指し、大阪府阪南市と関西国際空港を運営する関西エアポートが、連携プロジェクトに取り組むと発表した。藻場の保全に努めてきた両者がタッグを組み、環境改善の取り組みでカーボンニュートラル(脱炭素)の実現を図りたいとしている。

大阪湾沿岸では、高度経済成長期の工業化で埋め立てが進んだ。その一方で、自然海浜や藻場、干潟などの海藻や水生生物を育む浅瀬が減少してしまった。

そこで、府内最大となるアマモの繁茂地がある阪南市では「全国アマモサミット2018」を開催。これを機に、海の環境保全や子供たちへの海洋教育に力を注いできた。

大阪湾の藻場を保全、再生するため連携プロジェクトを発表した阪南市の水野謙二市長(左)と関西エアポートの三浦覚常務執行役員=2023年2月14日、関西国際空港(藤谷茂樹撮影)

泉州沖5キロに整備された関空では、護岸に緩い傾斜の石積みを取り入れたことで、大阪湾内の約2割の藻場を設けたという。二酸化炭素を吸収する豊かな藻場として、昨年末、Jブルークレジット制度の認証を受けている。

「大阪湾の海の森(藻場)保全・再生プロジェクト」として、関空護岸の藻場から阪南市沿岸への海藻の移植▽情報の共有▽市立小学校で藻場の保全活動などについて関西エアが出張授業-の3事業を行う。

この連携プロジェクトは、2025大阪・関西万博の「共創チャレンジ」に登録され、同万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」の実現にも貢献するとしている。

関西国際空港島周辺の護岸の藻場を育成する様子(関西エアポート提供)

阪南市の水野謙二市長は「大阪湾とともに生きている地域と空港。もっとしっかりと保全活動を推し進めるため、たくさんの人たちと協力していきたい」と意気込みを示した。

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