「とうきょうの木」の魅力発信 東京都がショールーム開設

多摩産材の利用拡大に向け、東京都は「TOKYO MOKUNAVI」を開設した。

This post is also available in: English

多摩産材の利用拡大に向け、東京都は15日、西新宿の新宿パークタワーに製品展示や情報発信を行う「TOKYO MOKUNAVI」を開設した。建築資材などに使われることが多かった多摩産材を一般消費者にも活用してもらうことなどが狙いだという。

都では平成18年度から多摩産材認証制度をスタートさせた。生産から販売までの全ての流通工程で多摩産材認証登録事業者が扱うことなどが多摩産材認証材の条件だという。認証制度とともに、普及が加速。都内唯一の原木市場を運営する多摩木材センターの協同組合が扱った多摩産材は、18年度には、全取り扱い量の3割程度だったが、令和3年度には9割程度にも達している。

showroom
「TOKYO MOKUNAVI」に展示されている製品=9月15日、新宿区西新宿の新宿パークタワー(吉沢智美撮影)

全国的には花粉症の発生源として伐採が進むスギといった木材の需要拡大や活用が課題となっているが、都では花粉対策などで伐採された木も多摩産材として都内の公共施設に使うなどし地産地消を進めているという。このため「原木が余って困るということはない」(組合の担当者)。

さらに、都では、多摩産材を一般消費者にも届けようと、4年度から「とうきょうの木」の愛称をつけるなどし、ブランド化に着手。認定を受けた業者が製品に「とうきょうの木」のロゴマークを使用できるようにした。

この日、開設された「TOKYO MOKUNAVI」には、机や椅子、時計、ヒノキを使ったエッセンシャルオイルなどが展示され、販売店も紹介。ワークショップなども開催して多摩材の魅力を発信する予定だという。視察に訪れた小池百合子知事は「多摩産材は東京にとっての肺や保水の機能もある。みなさんに知ってもらうことで市場を確保し、経済的にも回るようにしたい」と期待を込めた。

This post is also available in: English