使用済み油で空を飛ぼう

使用済み天ぷら油などの廃食油や廃木材といった化石燃料以外から製造される持続可能な代替航空燃料の国産化の動きが加速している。

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使用済み天ぷら油などの廃食油や廃木材といった化石燃料以外から製造される航空燃料「SAF」(サフ=持続可能な代替航空燃料)の国産化の動きが加速している。従来のジェット燃料に比べ最大8割の二酸化炭素排出削減効果があり、航空業界の脱炭素化の切り札として期待される。

プラント建設大手の日揮ホールディングス(横浜市西区)などは来年度にも、大規模プラントで廃食油を年間約3万キロリットルのサフに再生する初の国産サフ製造に取り掛かる。

最大の課題は廃食油の調達だ。国内では年間約26万キロリットルの廃食油が家庭や店から捨てられたり、サフの原料として海外輸出されたりしている。同社は飲食チェーンなどに協力を呼び掛けると同時に、「Fry to Fly Project(廃食用油で空を飛ぶ!!)」をテーマに、小中学校や催事で使用済み油の価値を知ってもらう出前授業や廃油回収を行っている。企業や自治体など70団体が活動に加わり、徐々に広がっているという。

同社の西村勇毅プログラムマネージャーは「資源の少ない日本が資源循環できる国になるチャンス。より多くの人の理解と協力を求めていきたい」と話している。

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